2008年5月からスタートした
介護療養型老人保健施設(療養型老健)とは、特別養護老人ホームや老人保健施設にくらべ、看護師が24時間配置されるなど医療が充実していることが大きな特徴です。
介護施設や在宅介護サービスが行き届かず、やむを得ず療養病床のある病院に入院する社会的入院と呼ばれる方が増加し、療養病床のある病院の多くは老人病院とも呼ばれていました。
しかし、医療の必要性が少ないにもかかわらず、病院に入院することは介護施設に入所するより割高で、医療費の無駄にもつながるため、医療費を抑制しようという目的で、2006年に療養病床を削減する方針が打ち出されました。
当時、全国に約38万床あった療養病床を、2011年度には、介護保険型は廃止し、医療保険型も15万床に削減する予定です。
病床数が削減された後、医療の必要性が高い方は医療保険型の療養病床へ、他の方は介護施設や有料老人ホームなどに移動するか、自宅に戻ってもらうことになります。
そのような状況の中、受け皿の一つとして介護療養型老人保健施設(療養型老健)が新設される運びとなったわけです。ただし、病状が安定した高齢者が入院する療養病床のある病院が転換する形でないと開設できないことになっています。
介護療養型老人保健施設(療養型老健)には、入院するほど重い症状ではないが、たんの吸引や経管栄養など、一定の医療が必要な高齢者が対象となり、終末期のケア体制も充実させるとのことです。
他にも、介護報酬が療養病床の時より最大で2割も削減でき、利用者負担も下がるメリットがあるそうです。
【介護療養型老人保険施設の特徴】
- 介護保険を使う
- 1人当たり費用 約33万円(1か月)
- 1か月自己負担平均 8万5100円
- 1人当たりの部屋の広さ 原則8.0u以上
- 看取りの体制も充実
- 最重度の認知症の人が20%以上、
または胃ろう、たんの吸引を行う人が15%以上いることが条件
- 医師1人、看護職17人、介護職25人 (100床の場合)