「住み慣れた我家、住み慣れた街でいつまでも過ごしたい。」
多くのお年寄がそのように考えているのではないでしょうか。
私自身もそのように考える一人です。
介護が必要なお年寄りは、2005年現在約460万人で、25年後の2030年には、
その数がなんと800万人以上になるといわれています。
現在の介護施設や在宅介護だけでは賄えきれない状況が予想されます。
そこで課題とされるのが地域の介護力ということになります。
日本全国、地域によって環境が異なります。
大都会、過疎地域、冬には雪が積もる所・・・それぞれの場所で、その地域に応じた対策を考えて行かなければなりません。
先日NHKで放映されていたのですが、新潟県長岡市では、サポートセンターという施設が地域の拠点となり、
行き届いた介護サービスを展開しているようです。
大規模集約型の特別養護老人ホームの多くは郊外に建てられていますが、その機能を地域に移すことにより、
お年寄が従来通りの地域に根付いた生活を維持することが可能になります。
このサポートセンターは、おおよそ中学校の校区ごとに設置され、ホームヘルパーの派遣や配食サービスなどを
行うことにより、「自分の暮らしを続けたい。」と願う多くのお年寄に、自分の生活を取り戻してもらうための
大切な拠点として活かされています。
長年来の友人や行きつけのお店など、地域を離れてしまうと失ってしまうものがたくさんあります。
それらを失うことなく、いつまでも過ごす事ができればどれほど幸せでしょうか。
また、「尾道方式」で有名な広島県尾道市では、医療と介護が連携した、とても心強い取り組みがされているようです。
少しでも安心した在宅介護ができるようにと、多くの開業医が連携し合い、積極的な訪問医療に取り組んでいます。
また、医師・看護師・介護士・家族などもしっかり連携を取り、患者の情報を共有することにより、
患者の状況に応じた最適なケアを実現しています。
病状により、熱が出れば内科、床ずれができれば皮膚科、尿の出が悪い時は泌尿器科の医師が即座に訪問するという、
いわばオーダーメイドの在宅ケアといってもいいでしょう。
まだ介護には縁がないと思われている方も、将来のことを考え、元気な内に地域介護力を強化するような運動を起こしたり、
参加されたりしてはいかがでしょうか。