6時間に及ぶ大手術が成功し、親族の間には安堵感が漂いました。
しばらくして主治医から経過報告があります。
とても難易度の高い手術であったことを再認識させられ、
その技術の高さに敬服しました。母の命を取り留めてくださった先生方に、本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
そして何よりも、この病魔との闘いに打ち勝った母の力強さに感動しました。
しかしこれからが大変です。身体機能がどこまで回復するのか分かりません。
完全復帰とまでは行かなくても、日常生活に支障のない程度にまで回復してくれればいいのですが。
でも、命が助かったんですから、そんな贅沢も言ってられません。
どんな状態になろうとも、家族で支えあって頑張って行くしかないだろうと心に決めながら回復を見守りました。
当時私は24歳で、たまたま時間に自由の利く仕事をしていたので、積極的に見舞いに行くことができました。
基本的には完全看護だったのですが、やはり病院任せだと看護が手薄になるので、家族でローテーションを組み、
殆ど切れ間無く誰かが母の傍に付いてあげることができました。
まさかこの歳で、母親の下の世話をするとは夢にも思いませんでしたが、抵抗なくこなしていた自分がいました。
徐々に意識も回復し始め、流動食から普通の食事に切り替わり、その頃から急に元気を取り戻して来たのです。
やはり、本来あるべき姿で、食事を摂ることにより、身体も素直に反応してくれているんだなと感じました。
その後、リハビリなどをこなしながら順調に回復し、見事退院を果たしたのです。
生死を彷徨ったあの日から、半年が経過していました。
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リハビリ生活〜手術の後遺症により、左半身が麻痺