大手の病院に搬送された母は、すぐに検査を受けます。
結果は、脳動脈瘤の破裂による出血。出血量がひどく、すぐに脳内に溜まった大量の血を抜き、
破裂した動脈をバイパスでつなぐ手術が必要とのことでした。
想像するだけで難しいのはわかります。
「先生、何とか家内を助けたってください。」と懇願する父。
「最善の努力はしますが、半々だと思っておいてください。もし、助かったとしても、
半身不随などの後遺症が残る確率は非常に高いです。」と主治医。
今朝まで元気に暮らしていた母が、今日明日にもどうなるか分からない、
もし助かったとしても、重度な後遺症が残る‥この現実、受け止めたくはなかった。
しかし、受け止めなければならなかった。
その後母が、非常に激しい呼吸や痙攣している姿を目の当たりにして、とても辛かったのを覚えています。
次々に駆けつける親族たちは、皆涙を流しています。状況からして助からないと思ったのでしょう。
しかしそんな中、なぜか私と妹だけは涙を流しませんでした。
そして二人で口を揃えて「助かるよな。死ぬ気せえへんもん。」
言葉では表しようがないのですが、そんな気がして、なぜか冷静だったことを覚えています。
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入院生活〜半年間の入院生活を経て見事退院