ある日突然悲劇は訪れます。もし、あなたのご家族が、つい先ほどまでいつも通りに元気だった家族が、
突然倒れたら、突然事故に遭遇したら、あなたはどうしますか?
それは、今から20年以上前の出来事でした。
母は、長年ハンカチ工場にパート勤務していました。
平日の9時から17時まで、毎日休むことなく働いていました。
その日も、いつものように朝を迎え、各自がそれぞれ身支度をしていました。
気が付くと、母がトイレから長い間出てきません。
朝のトイレ争奪戦はどこの家庭でもありますよね。
遅いなあ〜と思いながら支度していると、気の短い父が「まだか?」と母に語り掛けます。
するとトイレの中から「頭が痛い!」と母の神妙な声が聞こえて来ました。
ドアを開けると、一人では動けない状態です。
とりあえず抱え込んで布団まで連れて行きましたが、とても辛そうな顔で頭痛を訴えるのです。
病気には無縁だった健康な母がです。これはただ事ではないと即座に救急車を呼びました。
最寄の病院に搬送され、レントゲン検査をした結果、脳内出血していることが判明しました。
私も父もパニック状態に陥りました。脳からの出血と聞いただけで、もう意識が戻らないのでは、
助からないのではという思いが、頭の中をグルグルと駆け巡りました。
結局、その病院では対応できないとの理由で、脳神経外科のある大手の病院へ搬送されることになりました。
こんな経験は初めてなので、どうしていいのかわらず、おろおろしていたのを覚えています。
とにかく、祈るしかありませんでした。
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手術〜6時間に及ぶ大手術。確率は半々?