高専賃の現状について。
高齢者居住法により、2005年12月より高齢者世帯を賃借人とする賃貸住宅として制度化された高齢者専用賃貸住宅ですが、
昨年(2007年)より物件数が倍増し、全国の高専賃は2008年7月現在で約900物件(約2万2000戸)に及びます。
高専賃が急増した背景には、介護保険財政の悪化で、介護保険の給付費を抑制したい自治体が、介護付き有料老人ホームの新設を認めなくなったことがあげられます。
但し、食事・介護・家事援助・健康管理のいずれかを提供する場合は、有料老人ホームの届出が求められますが(
適合高専賃は除く)、届出が必要な高専賃のうち、約35%の4400戸が届け出を怠っているとの調査結果が読売新聞に掲載されていました。
特に、北海道・大阪・神奈川の順に多かったようです。
≪問題点≫
◎立ち入り調査の対象外となってしまうため、虐待や事故などの問題が生じても発見されにくいリスクがある。
◎現在は元気な入居者も、今後要介護度が重くなるにつれ、ケアの質が悪くなる恐れがある。
◎特定施設以外は、介護保険では対応できない場合もあり、費用が思いのほか高額になるケースがあるので注意が必要。