父は元来、自分と意見が違う人とは、すぐに口論に発展してしまうタイプです。
だから何も介護に携わっている方だけと口論になっているのではありません。
一言で言うと、父は単にわがままなんです。でも、私と違い、思っていることを遠慮しないで
ズバズバ言うところは、うらやましい限りです。
私は争い事が苦手なので、口論になるぐらいっだったら、我慢するタイプなんですが、
父は自分の主張を絶対相手に伝えます。ある意味、見習わないといけないと思います。
でも、父の話を聞いていると、一理あることがほとんどです。
もちろん、スタッフの立場からすると、理にかなっていないかもしれません。
父は主張はするけど、筋が通っていなければ強引に押し通そうとはしません。
では、なぜ口論になるのか。それは物の言い方だと思います。
父の肩を持つわけではありませんが、同じ会話の内容でも、物の言い方一つで、納得することができたり、
逆に喧嘩腰に受け取ってみたりすると思うんです。
実際は、父の言い方が喧嘩腰に聞こえることの方が多いと思うのですが(汗;)
口論の原因となるやり取りの中で、私の選んだベスト2があります。
父は盲目です。不自由を感じることは、きっと多いはずです。だからお願い事も他の人より多いと思います。
しかし、スタッフの方にちょっとした無理をお願いすると、「○○さんだけ特別扱いできません。」と返ってくることが多いそうです。
もちろんお願いする内容にもよりますが、殆どが目が見えないことからの理由によるものです。
また、できるだけ自分で頑張ろうと努力しますが、どうしようもない時があります。それでも介助してくれないので、
なぜ助けてくれないんだと限界を感じてお願いすると、「○○さんのためを思って、介助しないんです。」
「○○さんが自分の力で頑張って、一日も早く自宅に復帰できるようにそうしてるんです。」
ごもっともなことを言ってるようですが、本人がこれ以上どうしようもない状態の時、
こんなことを言われたらどんな気持ちになると思いますか。
自分の親が苦しそうにして助けを求めても、同じことができますか。
これは、激励と虐待の紙一重だと思います。
父は4種類の目薬を点眼しています。面倒臭いことをお願いして、スタッフの方には申し訳なく思っています。
ある日、心配性な父は、あるスタッフの方に種類がちゃんと合ってるかどうか確認したそうです。
すると、そのスタッフは、「チェッ!」と舌打ちし、部屋の外に出て大声で発狂したそうです。
父もどのような聞き方をしたのか分かりませんが、非常に悲しいことですね。
また別の日、エレベーターの中で、誰かに突然こんぱち(おでこを指ではじかれる)されたそうです。
もちろん父は「何をするんじゃ。お前は誰や!」と激怒したらしいのですが、黙ってスッと逃げたそうです。
スタッフも人間です。要介護者も人間です。
仕事でもプライベートでもいろんなことがあり、ストレスもあるでしょう。
大勢の要介護者を世話していると、気がおかしくなりそうな時もあるでしょう。
でも、給料をもらって働いてるのだから、我々はプロとみなします。
虫の居所が悪く、八つ当たりしているような人も実際いるのではないでしょうか。
相性の合わない人に対しては限界すれすれの意地悪をしている人もいると思います。
でも、そのような人は介護する資格はありません。すぐに転職された方がいいと思います。
なぜこの職業を選んだのか、どんな介護士になろうと思って頑張っているのか、
常に自分に問い掛けながら、要介護者に接するべきだと思います。
で、このような人に限って、ブツブツ文句言うんだったらお前が看ろよって思ってるんでしょうね。
その通りだと思います。だから私は在宅介護を目指して頑張ります。
でも、プロのスタッフの方とは連携を取りながら協力してもらうつもりです。
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同室者の嫉妬