平成20年4月よりスタートした長寿医療制度(後期高齢者医療制度)。
2年前から導入が決まっていたにもかかわらず、事前の広報が不十分なこともあり、制度の内容を理解していない
高齢者が数多く存在しています。
ここでもう一度おさらいしておきましょう。
■本来「後期高齢者医療制度」という呼称でしたが、後期高齢者というのを「人生の終わり」と解釈する人達からの
クレームが多く、施行直前になってから急遽「長寿医療制度」に変更されました。
■対象となるのは、75歳以上の方(65歳以上75歳未満の障害認定を受けている方を含む)で、平成20年4月1日から
これまでの老人保健制度に代わり、長寿医療制度(後期高齢者医療制度)に加入することになります。
※65歳以上75歳未満の障害認定を受けている方は、障害認定の撤回をする旨を申し出ることにより、長寿医療制度
に加入せず、国民健康保険もしくは被用者保険に加入することができます。
■75歳以上の方は、特別な手続きを必要とせず、新たな保険証が3月中に届くことになっていましたが、不在や転居が
理由で、全国約6万強(被保険者数約1300万人中)の方々に届いていないことがわかりました。
保険証がなければ、一時的に医療費を自費で立替なければならないので、お手元に届いているかのチェックが必要です。
■長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が創設された理由の一つに、現役世代と高齢者の医療費負担の明確化が挙げられます。
従来は、公費(国・都道府県・市区町村の税金)が5割、現役世代・高齢者(国保・健保などからの拠出金)が5割でしたが、
この内、現役世代が4割、高齢者が1割という分担がルール化され、負担の割合が明確化されました。
■保険料は、各都道府県の広域連合が決定します。年金の他にも事業所得などの別所得があれば、それも合算された総所得額に
基づいて決定されます。全国平均で年間約72000円(月額約6000円)とのことですが、地域によってかなりの隔差があるようです。
■長寿医療制度(後期高齢者医療制度)の支払い方法は、原則として年金から天引きされます。但し、年金額が年額18万円未満の方、または、介護保険料と
後期高齢者医療保険料を合わせた額が、年金額の2分の1を超える方は、納付書や口座振替による支払いとなります。
■75歳以上で、これまで健康保険・共済組合の被保険者の被扶養者だった方は、制度加入から2年間は保険料が半額になります。
また、特別措置として、平成20年4月から9月までは保険料の徴収がなく、10月から平成21年3月までは、本来の保険料の
1割負担(9割軽減)で済むようになっています。そして2年後から、本来の負担額になります。
■医療機関に支払う窓口負担は従来の老人保健制度と同じで、原則1割負担です。(現役並みの所得がある方は3割負担)
窓口負担は月毎の上限額が設けられており、また、介護保険の窓口負担との合計額が1年間で一定以上の場合、
申請により限度額を超過した額が後日払い戻されます。
保険料徴収の仕組みが分かり辛い・年金額が低い方・生活にお困りの方などは、各都道府県の広域連合または市区町村の窓口に問い合わせて相談しましょう。